今回はキャリアアップ助成金(人材育成コース)における「ジョブ・カード(評価シート)」についてお話します。言葉であーだこーだ言っても分かりづらいと思うので、まずは実際の評価シートをご覧ください。
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(クリックしたら拡大画像が見れます)
上の画像が評価シートで、過去に実際に使ったものです。黒文字はひながたそのままで、青文字がボクが書いた部分です。
特に右下の「職務遂行のための基準」部分が重要で、ここに従業員を評価する項目を細かく定めていくわけですが、上からそのまま読んでいくと、
・法令や職場のルール、慣行などを遵守している。
・出勤時間、約束時間などの定刻前に到着している。
・上司・先輩などからの業務指示・命令の内容を理解して従っている。
・仕事に対する自身の目的意識や思いを持って、取り組んでいる。
・お客様に納得・満足していただけるよう仕事に取り組んでいる。
と、こういった評価基準項目がさらに下にもズラーっと並んでいるわけです。これらが評価項目で、左側部分の「自己評価」と「企業評価」でABC評価していくという流れです。
※ちなみにキャリアアップの「正規雇用化コース」を活用する場合は、「評価シートの管理者A判定が全体の70%以上であること」など、正社員に転換するしないのボーダーラインにも関連してきます。そのボーダーラインをクリアしないと正社員にはなれないという意味です。人材育成コースだけなら特に関係ありませんが。
以前別の記事で「訓練カリキュラムを決めるよりも前に評価シートを作る必要がある」と言いました。その理由を話す前に、この人材育成コースの「全体の流れ」をお話します。
< 人材育成コース 全体の流れ >
①どういう人材に育てたいかという「理想像」を決める
②理想像に近づくために必要なスキルや知識を細かく書き出す(評価シート)
③そのスキルや知識を得るために必要な訓練期間と内容を考える(カリキュラム)
④必要な手続きをハローワーク等で済ませる
⑤訓練を実施する
⑥助成金を支給申請する
⑦助成金が口座に振り込まれる
これが人材育成コースの全体像です。以前これまた別の記事で「人材育成コースで必要な手続き」についてお話しましたが、①②③の流れについてはあえて伏せていました。しかし実は、訓練カリキュラムを作るうえでもっとも重要なのは①②③の部分なのです。
理想像が明確だからこそ、必要なスキルや知識がハッキリします。必要なスキルや知識がハッキリしているからこそ、それを得るためにどんな訓練を何時間すればいいかが見えてきます。理想像が明確じゃないならカリキュラムに手をつけるべきではありませんし、明確なゴールのない訓練を行っても意味がありません。訓練を受ける側も、教える側もカワイソウです。
冷静に考えるとごく当たり前の話なのですが、この順番を理解していない方がとても多いようです。なんにせよ、カリキュラムを作るうえで評価シートの存在は絶対に無視できないという事です。
ということで、また別の機会に「評価シートの具体的な作り方」についてお話します。今日お見せした上記の評価シートがどんな手順で作られたのか具体的に全てお話します。