2025年も新年1月1日を迎えましたが,1月1日がどのようにして決められたかご存じですか?
中国などで祝われる旧暦(太陰太陽暦)の1月1日(旧正月)は,
まず新月(月齢0)を元に月初の日である「1日」を定め(月齢0の時刻を含む日を1日とする),
その後で所定のルールで各月に「1月」,「2月」,・・・の名前を付けて1月1日の日を決めます。
その命名ルールですが,中華文化圏では1年を春夏秋冬と捉え春から始まるものとします。
春夏秋冬は各3か月からなると考え,春の始まりに近い月を「1月」,
中間に近い月を「2月」,終わりに近い月を「3月」,・・・のように命名します。
なお,始まり・中間・終わりをそれぞれ「孟」「仲」「季」と呼び(訓読みは「はじめ」「なか」「すえ」です),
孟春(1月),仲秋(8月),などのように言います。
「季」を節目とする期間が「季節」です。
具体的には,冬至を冬の中間とし「冬至の時刻を含む日を含む月を仲冬(11月)とする」を基本とします。
2024年暮れの冬至は12/21 18:21(日本時間)でしたが,
この近辺の新月は
・12/01 15:21
・12/31 07:27
・01/29 21:36 なので,
12/01~12/30が「11月」,12/31~01/28が「12月」,01/29~が「1月」と命名され,1月29日が旧正月となります。
なおあくまでも日本時間であり,たとえば2007年は 02/18 01:14が新月だったので,2月18日が旧正月でしたが,
日本時間より2時間遅いベトナムやインドネシア時間では02/17 23:14なので,旧正月は2月17日でした。
このように中華文化圏では春の始まりが年の始まりなのですが,
では今日本で使われている暦(グレゴリオ暦)では何が年の始めなのでしょうか?
グレゴリオ暦では,「時の経過」で月と年を定義します。
2025年の新年は2024年の12/31の0時から24時間経過したとき,
12/31の0時は12/30の0時から24時間経過したとき,・・・,のように,
どんどん前の月日から決めていき,
グレゴリオ暦の最初の日である1582年10月15日まで遡ります(ちなみに1582年は本能寺の変の年です)。
グレゴリオ暦が作られたヨーロッパでは,
その前日までも同様に時の経過で月と日を定義する暦を使っていたのですが,
この暦では1年を365日,4年に1回366日,平均365.25日としていました。
実際の1年は約365.2422日なので,1年で0.078日ぐらい長かったのです。
ヨーロッパでは,キリスト教の祭祀スケジュールが重要で
その起点はイエスの刑死と復活を記念する復活祭ですが,
イエスの処刑は当時のユダヤ暦(これも太陰太陽暦)のニサンの月(春分を含む月)に
行われたとされていたことから復活際の日付けは春分を基準に計算します。
そして4世紀の会議で春分の日を3/21に固定したのですが,
暦が1年で約0.078日長かっため16世紀には3/21より9~10日も早い日に春分が起こる事態になってしまいました。
そこで,1582年10月4日の翌日を10月15日としてズレを修正し,
1200年で9日ぐらいずれたのだから,366日の年の数を1200年で9日,
400年で3日減らすこととしたのがグレゴリオ暦です。
そのため,うるう年は400年で100回ではなく97回です。
ということで,冒頭の問いの答えは「春分の時刻を含む日が3月21日ぐらいになる日」です。
ちなみに2025年の春分は3/20 18:01で,2024年が366日あった影響で前倒しになっています。
画像は,2025年の正月に近所の山上にある神社への初詣の際に撮った初日の出と,1時間ぐらい後に撮った山上からの新年の光景です。